場所は下北沢。
久しぶりの下北沢。
せっかくだから、美容院の前に何か食べよう。
そう思って少し早めに行きました。
下北沢には、
オシャレなカフェとか、
オシャレなご飯屋さんとか、
なんかよくわからないけどオシャレな店が、
いっぱいあります。
せっかく下北沢まで来たんだから、
そういうところに入ればいい。
私もそう思います。
でも、
入れない。
外から見る。
メニューを見る。
中を見る。
若い人を見る。
やめる。
なんか緊張する。
48歳なのに。
そして最終的にたどり着いたのが、
バーガーキングでした。
落ち着く。
知ってる店。
知ってるハンバーガー。
ここなら大丈夫。
と思ったら、
クーポンの使い方がわからない。
知ってる店でもダメでした。
店員さんの前でスマホを持ちながら、
これ?
どこ押すの?
これ見せるだけ?
一人で小さく焦る48歳。
なんとか注文できました。
疲れた。
まだ美容院にも行っていないのに。
そして、
このあとしばらく食べられないからと思って、
しっかり食べました。
お腹いっぱい。
満足。
やっぱりバーガーキングにしてよかった。

そんなことを思いながら美容院へ。
今日はヘッドスパもあります。
美容院の椅子に座って、
髪をやってもらって、
いよいよヘッドスパ。
目を閉じる。
頭をマッサージしてもらう。
気持ちいい。
ああ。
これこれ。
私は今日、
こういう休日を過ごしたかったのよ。
その時です。
グゥゥゥゥ……。
……。
お腹が鳴りました。
しかも、
かわいい「グー」ではありません。
ゴゴゴゴゴ……。
みたいなやつ。
明らかに何かが動いている。
さっき食べたものを、
私のお腹が一生懸命処理している。
わかる。
わかるけど、
今じゃなくていい。
美容院は静かです。
ヘッドスパは、
さらに静かです。
ゴォォォォ……。
もうやめて。
絶対聞こえてる。
美容師さん、
何も言わない。
私も何も言わない。
二人とも、
聞こえていないことにする。
優しい世界。
私は目を閉じながら、
ただひたすら、
お腹よ静まれ。
と願っていました。
何しに来たんだろう。
ヘッドスパで癒やされに来たはずなのに、
腹の音を気にして全然集中できない。
それでも、
美容院が終わる頃にはご機嫌でした。
髪はきれいになった。
ヘッドスパもした。
バーガーキングも食べた。
今日はいい日だった。
あとは帰るだけ。
下北沢から家までは1時間以上。
電車に乗ったら混んでいて、
座れません。
まあ仕方ない。
立って帰ろう。
しばらくすると、
目の前の席が空きました。
やった。
座れた。
嬉しい。
もう今日はこれで終わり。
ここから先は、
ただ座っていれば家に着く。
そう思って、
ホッとした瞬間でした。
……。
お腹痛い。
嘘でしょ。
今?
さっきまで何ともなかったじゃん。
なんで座った瞬間なの。
気のせいかもしれない。
少し待ってみる。
……。
気のせいじゃない。
むしろ、
どんどん確信に変わっていく。
これは、
家まで持たない。
でも、
せっかく座れた。
やっと座れたのに。
席を立ちたくない。
私はしばらく、
「座っていたい私」と
「トイレに行きたい私」の間で揺れました。
でも、
これは勝負してはいけないやつです。
48歳。
そこはわかります。
次の駅で降りました。
さっきあんなに嬉しかった席を、
自分から捨てました。
悲しい。
ホームに降りて、
トイレを探します。
こういう時って、
なぜトイレがものすごく遠く感じるのでしょう。
「トイレ →」
あった。
急ぐ。
でも走れない。
走ったら、
なんか危ない気がする。
なので、
ものすごく急いでいるのに、
見た目はちょっと早歩き。
たぶん、
ものすごく変な歩き方をしていたと思います。
そして、
なんとかトイレに到着。
間に合いました。
よかった。
本当によかった。
しばらくして、
何事もなかった顔でトイレから出ました。
誰も私のことなんて見ていないのに、
なぜか普通に歩く。
そして再びホームへ。
電車を待つ。
来ない。
電車が来ない。
私はホームで一人、
ぼーっと立っていました。
今日、
下北沢まで美容院に行ったんだよな。
髪もきれいになったんだよな。
ヘッドスパもしたんだよな。
さっきまで、
あんなに幸せだったのに。
今は、
途中下車した駅のホームで、
お腹を壊したあと、
電車を待っている。
しかも、
さっきまで座れていたのに。
なんだこれ。
私の休日。
でも、
間に合った。
それだけでいい。
今日はもう、
それだけで十分です。
髪はきれいになりました。
お腹は壊しました。
そして私は、
まだ家に着いていません。
まぁだいたいこんな感じ。
本当に大器晩成なのかは、また次回。


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